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そろり…そろり…猫の忍び足は、
本当に足音ひとつしないのです(笑)
柱のニオイを嗅いだり、畳のニオイを嗅いだりしながら、
部屋をそろりそろりと歩き回り
そして最終的に、私の部屋のソファーの裏に入っていきました。
結局ソファーかい(笑)と思いましたが、
まだ初日なので、はなちゃんも不安なんだ、
我慢我慢…と言い聞かせます。
結局その日はわたしの就寝時間までソファーの裏から出てくることはなく、
わたしも渋々眠りにつきました。

次の朝、眠い目を擦りながら部屋を見渡すと、
はなちゃんの姿はありませんでした。
わたしは起き上がり、
そっとソファーの後ろをのぞき込むと…やっぱりいました(笑)
今日も不安そうな目でわたしを見つめています。

わたしはそっとはなちゃんに手を伸ばし、
頭を撫でようとしたのですが、
頭の毛に少し触れた途端
ビクっとしてそのままソファーの奥に引っ込んでしまいました…。

部屋には、はなちゃんの為に用意したピンクのご飯の器と、水の器。
見た感じ手を付けた形跡はありません。
トイレを覗いてみても、用を足した形跡もありません…。

「うーん…。さすがに一日では慣れてくれないか。」
わたしは、無理に慣れさせることはせず、
もう少し様子を見ることにしました。

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次の日の真夜中、「ガサガサ」という物音で目を覚ますと
なんと、はなちゃんがトイレに入っているではありませんか!

わたしは、はなちゃんにバレないように、
寝たふりをしながらトイレで用を足してる
であろう姿を観察していました。
たとえ猫といえど、
用を足す姿を覗き見するのは少し罪悪感が湧きました(笑)

しばらくするとはなちゃんは、
トイレに挽いている猫砂を前足でバッサバッサ掻きまわし
トイレから出てきました。

そしてまた、そろりそろりとソファーの裏に帰っていきました。
その姿を見届けた後、
わたしははなちゃんが用を足したトイレをこっそり覗きました。
ご飯を食べていないからか、うんちは無く、おしっこのみでした。

「うんちは無いけど、とりあえずトイレは使ってくれた!」

わたしは小さくガッツポーズをし、夜中だったこともあり、
いつのまにか寝てしまいました。
ですが、次の日もその次の日も、
はなちゃんはご飯を食べてくれませんでした。

その頃はすでに、
はなちゃんがわたしの家に来てから四日も経っていました。
水は少しだけ飲んだ形跡はあったものの、
相変わらずうんちも出ません。

「このままではダメだ!
はなちゃんが死んでしまうかもしれない…。」

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