そんなことを考えながらわたしは、
外の世界デビューしたはなちゃんをずっと見ていました。
それからのはなちゃんは、
人が変わったように(猫だけど)元気になり、
ご飯もモリモリ食べるようになりました。
ねこじゃらしで遊びたくなると、
ねこじゃらしを銜えてわたしの前にやってきて
そっとねこじゃらしを置いて行くようになりました。
「走り回りすぎて、わたし、瘦せるんちゃうかな？」
と思うくらい、ねこじゃらしで遊びました。

それからは沢山の月日をはなちゃんと過ごし、
気が付けばはなちゃんと出会ってから10年ほどの
月日が流れていました。
当時18歳だったわたしも、もうアラサーです(笑)

最近のはなちゃんは…というと…めちゃくちゃ甘えん坊です。
とりあえず朝一番に、身体のあっちこっちをベロベロして起こしてきます。
猫といえど獣なので、朝一は少し生臭いニオイがします(笑)

わたしが目覚めると、朝のご飯タイムです。
四年前に新しくわたしの元にやってきた
「ミーちゃん」と共にニャーニャー訴えます。
はなちゃんは先猫にもかかわらず、
我が儘なミーちゃんにご飯をとられがちです。
ミーちゃんは欲張りさんなので二人でご飯を食べていても、
すぐに前足でご飯の器を自分の方に引き寄せます。
はなちゃんはそんな扱いをされても怒ることなく、
逆に申し訳なさそうにご飯を食べています。

はなちゃんは、いつでもどんな時でも、
ミーちゃんやわたしたちを傷つけるような事はしません。

わたしも１０年の間、
一度もひっかかれたり嚙まれたりしたことがありません。
きっとはなちゃんは、
昔、自分がされたことをよく覚えているのかもしれません。
だから、自分の大切な人を絶対に傷つけないのかもしれませんね。

朝ごはんも食べて、次はわたしが仕事に行くときのお見送りです。
部屋の中で「いってくるね。」と声をかけると
必ず玄関までついてきて「いってらっしゃい。」をしてくれます。

わたしが玄関のドアを開けると、
いつも首をめいっぱい伸ばして外の様子を伺うはなちゃん。
でもすぐに部屋の中に戻っていきます。

昔はずっと外で生活していたからか、
お外に興味はあるようですが、
やっぱりまだ少し怖いんだね。

人見知りな性格は相変わらずだし、
今は天真爛漫なはなちゃんですが、
きっと心の傷はずっと癒えることはないんだろうなぁ…。

こんなはなちゃんに、
わたしの大好きな泉大津のまちを
もっともっと見せてあげたい。

そう思いながら、
私は、今日も、はなちゃんに代わって、
泉大津のまちを歩いているのです。